EDLCと鉛バッテリー

鉛バッテリーの上手な使い方

鉛バッテリーは他のバッテリーと比べ使い勝手がよく、また安価であるために、リチウムイオン電池を代表とする新しいバッテリーが台頭しつつある現在でも、多くの分野で活躍しています。

上手に使えばこれに勝る蓄電デバイスはありませんが、システムの制約上、いつも理想通りに使えるわけではありません。

先ずは、鉛バッテリーの基本から学びましょう。

バッテリーの容量を示す値としては、「Ah」という単位で表します。

これは読んで字のごとく、電流値と時間をかけた単位です。

例えば、10Ahのバッテリーは10Aを1時間流せるということになります。

しかし、曲者の条件がこの後に続きます。「時間率」という単位です。

多くのバッテリーは「5時間率」という単位が付いてきますが、これは「5時間かけて放電すれば効率良くエネルギーを取り出せますよ」という意味で、先程の10Ahを例にとると、

10Ah ÷ 5時間 = 2A

となり、2Aで5時間放電すれば効率良くエネルギーを取り出せる事になるわけです。Ahという単位に騙されてはいけなのです。

ちなみに、10Aで放電すると、実際は50~60%のエネルギーしか取り出せないようです。つまり、10Aで放電すると30分でエネルギーを出し切ってしまうという事になるわけです。

さて、次に実際のシステムで考えてみましょう。

200Ah/48Vのバッテリーを積んでいる搬送車があるとします。バッテリーの重さだけでも100Kg以上になります。バッテリーの基本からすれば、出力は40A以下で使わないと効率的な使い方とは言えません。しかし、実際は発進時などのピーク電流は200A近くに達します。かといって、バッテリーのサイズを5倍にすると、荷物を運んでいるのか、バッテリーを運んでいるのか分からなくなりますね。つまり、システムの制約上、仕方が無いという事になるわけです。

そこで、EDLCを組み合わせてシステムを作り、バッテリーを使い切る方法がいくつかあります。

1.アクティブパラレル法

 下図のように、負荷に対してのエネルギーはEDLCが行い、バッテリーからDC/DCでゆっくり充電をすることで、バッテリーの負荷を軽減します。この仕組みは、負荷の間欠動作をする場合に使われる方法で、バッテリーの理想的な使い方という事になります。代表的なアプリケーションとしては、マツダのi-ELOOPで、アイドリングストップ後のエンジン始動をEDLCのエネルギーで行っています。

2.パッシブパラレル法

 下図のように、バッテリーとEDLCを単純に並列接続します。この仕組みは、バッテリーが出力するピーク電流をアシストして、バッテリーの負荷を軽減します。従って、バッテリーの理想的な使い方という事にはなりませんが、システムによっては、ある程度の効果は期待できます。

 並列に接続した場合、バッテリーとEDLCの内部抵抗(ESR)の比率によって、ピーク時の出力電流は決まります。

 例えば、負荷ピークが200Aで5秒、その後80Aで15秒動作するシステムでシミュレーションした結果を下図に示します。この際のESRは、バッテリーが15mΩ、EDLCが8mΩ。EDLCの容量は340Fとします。

 EDLCが無ければ、全ての負荷200Aをバッテリーから出力するところを、EDLCが120A程度のアシストをすることが分かります。その後、時間の経過とともにアシストは減りますが、それでも平均を取れば半分のエネルギーをアシストしていることが分かります。

 このように、EDLCにより、バッテリー負荷を大幅に軽減され、エネルギーを効率的に取り出すことが可能になるわけです。

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